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◆金融商品取引業登録申請 Q&A◆

Q,金融商品取引法とは?

 A,「金融商品取引法」とは、金融商品についての幅広いルールを定め、個人投資家等を保護することを目的として、従来の証券取引法を全面改正することによって成立した法律です。この金融商品取引法によって、証券会社、金融先物取引業者、商品投資販売業者、証券投資顧問業者、投資信託業者、信託受益権販売業者等は、すべて金融商品取引法の「金融商品取引業者」として扱われることになりました。また、取り扱う金融商品の種類、業務内容によって「第一種金融商品取引業」「第二種金融商品取引業」「投資助言・代理業」「投資運用業」に分類され、登録要件等もそれぞれ異なっています。

Q,金融商品取引業とは?

 A,金融商品取引業とは、以下の4つに分類されます。金融商品取引業の施行によって、金融先物取引法等の法律が廃止されました。また、信託業法の信託受益権販売業等は条文が削除され、金融商品取引法に組み込まれました。これによって、金融先物取引法、信託業法で規制を受けていたものは金融商品取引法で規制を受けるようになりました。

▼金融商品取引業

 Ⅰ、第一種金融商品取引業
 Ⅱ、第二種金融商品取引業
 Ⅲ、投資運用業
 Ⅳ、投資助言・代理業

Q,みなし有価証券とは?

 A,みなし有価証券とは、有価証券が発行されない権利のことです。有価証券が発行されると、それが不動産信託受益権などの信託受益権であったとしても、みなし有価証券ではありません。このみなし有価証券のうちで、第二種金融商品取引業の登録を行うことによって取り扱うことができるのは、大きく分けて以下の3つです。

 ∇信託受益権
 ∇合名・合資・合同会社の社員権
 ∇組合等の出資持分

 上記以外のみなし有価証券を第二種金融商品取引業では取り扱うことができません。例えば、株券の電子化によって、株券が発行されなくなりましたが、その発行されなくなった株券に表示されるべき権利(配当を受ける権利、残余財産を受ける権利)が該当します。株券は、有価証券が発行されなくても(みなし有価証券であったとしても)、第二種金融商品取引業ではなく第一種金融商品取引業の登録が必要になります。

◎第二種金融商品取引業で取り扱うことができる有価証券の条件
  Ⅰ、みなし有価証券であること。
  Ⅱ、信託受益権、合名・合資・合同会社の社員権、組合等の出資持ち分であること。

Q,集団投資スキームとは?

 A,集団投資スキームとは、一般にファンドと呼ばれる投資媒体が、多数の投資家から資金を集め、資金運用のプロが資金を運用管理して得た利益を投資家に分配する仕組みのことです。ここでいうファンドには、組合(民法上の組合、商法上の組合等)、会社(投資法人等)、信託(投資信託等)がありますが、どういった契約の形態をとろうと、以下の要素を持っている場合には、集団投資スキーム持分として扱われます。
  ◎出資者による金銭等の出資・拠出
  ◎当該金銭を持って行う事業
  ◎収益の配当、財産の分配

Q,第二種金融商品取引業登録の流れは?

 A,第二種金融商品取引業を行おうとする場合には金融商品取引法に定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。また、第二種金融商品取引業登録を受けるためには最低資本金1000万円が必要です。

▼第二種金融商品取引業登録申請の流れ

①登録拒否要件のチェック

②必要書類の準備

③申請書および添付書類の作成

④財務局(財務事務所)に申請

⑤財務局(財務事務所)に申請

⑥審査

⑦登録

⑧営業開始

 第二種金融商品取引業登録申請は、主たる営業所の所在地を管轄する財務局(主たる営業所が財務事務所の管轄区域内にあるときは財務事務所)に対して行います。

 申請書類が受理されてから登録までかかる期間ですが関東事務局では2か月と標準処理期間が設定されていますが、2か月以上かかるケースもあります。

Q,登録拒否要件は?

 A,第二種金融商品取引業登録申請者が以下の登録拒否要件に該当する場合、または、申請書類・添付書類に虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けている場合には登録は拒否されます。第二種金融商品取引業登録申請をする場合には以下の登録拒否要件に該当していないかどうかをチェックした上で申請書等の作成等を行いましょう。

▼登録拒否要件

∇次のいずれかに該当する場合
  Ⅰ、登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないもの
  Ⅱ、関係法令に違反し、罰金の刑に処され、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの
  Ⅲ、行う業務が公益に反すると認められるもの
  Ⅳ、金融商品取引業を的確に遂行するに足りる人的構成を有しないもの

∇法人の場合で、役員または重要な使用人のうち次のいずれかに該当する場合
  Ⅰ、成年被後見人
  Ⅱ、破産者
  Ⅲ、禁固以上の刑に処され、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなっら日から5年経過しないもの
  Ⅳ、金融商品取引業者であった法人が登録を取り消されたことがある場合で、その取消しの日前30日以内にこれらの法人の役員であ
    った者でその取消しの日から5年を経過しない者
  Ⅴ、金融商品取引業者であった個人が登録を取り消されたことがある場合で、その取消しの日から5年を経過しない者
  Ⅵ、刑法等の罪を犯し、罰金の刑に処され、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過し
    ない者

∇個人である場合において、申請者および重要な使用人が上記に該当する者のあるとき

∇資本金の額または出資の総額が、公益または投資家保護のために必要かつ適当なものとして政令に定める金額に満たないもの
  Ⅰ、第二種金融商品取引業で特定有価証券等管理行為を含む場合………5000万円
  Ⅱ、第二種金融商品取引業………1000万円

Q,金融商品取引業者が遵守すべき義務は?

 A,金融商品取引法は、金融商品についての幅広いルールを規定し、個人投資家等の保護を図るという趣旨のもと、証券取引法を全面改正することによって成立しました。金融商品取引法の目的でもある「個人投資家等の保護」を図るために、金融商品取引業者には様々な義務が課せられています。

▼金融商品取引業者が遵守するべき義務

Ⅰ、標識の掲示義務
  営業所または事務所ごとの出入口、顧客と対応する場所、顧客の目につきやすい場所等に掲示
Ⅱ、広告の規制
  金融商品取引業者である旨、金融商品取引業登録番号を表示
Ⅲ、損失補てん等の禁止
  金融商品取引業者が顧客に与えた損失を補てんすることは禁止(第三者を介しての補てんも禁止)
Ⅳ、契約締結も絵の書面交付義務
  契約内容の概要、手数料、損失の生じる恐れのある場合にはその旨を記載する
Ⅴ、契約締結時の書面交付義務
Ⅵ、適合性の原則
  顧客の知識、経験、財産状況及び契約締結の目的に照らして、不適切な勧誘を行うことによって個人投資家等の保護に欠けることが
  ないようにすること

 上記の義務の他に禁止行為も定められています。
◎虚偽の内容を告げる行為
◎勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問・電話等によって勧誘をしてはならない
◎顧客が契約を締結しない旨の意思表示を示しているにもかかわらず勧誘を継続してはならない

 また、金融商品取引業には有効期限はありません。ですから、更新手続きを取る必要はありませんが、事業年度ごとに「事業報告書」を作成し、毎事業年度経過後3カ月以内に提出する必要があります。

Q,変更届?

 A,金融商品取引業は宅建業、建設業等と違い有効期限はないため更新手続きを取る必要はありません。しかし、金融商品取引業者は、以下に挙げる事項に関して変更のあった場合には、変更のあったその日から2週間以内または遅滞なく届け出る必要があります。

▼変更のあったその日から2週間以内に届け出が必要な事項

①称号、名称または氏名
②資本金の額
③役員の氏名または名称
④政令で定める使用人の氏名または名称
⑤本店その他の営業所または事務所の名称及び所在地
⑥他に事業を行っている場合には、その事業の種類
⑦加入する金融商品取引協会の名称
⑧会員または取引参加者となる金融商品取引所の名称または商号
⑨有価証券関連業を行う場合には、その旨
⑩第一種金融商品取引業を行う場合には、加入する投資者保護基金の名称
⑪商品投資関連業を行う場合には、その旨
⑫金融商品取引法第194条の6第2項各号に挙げる行為を業として行う場合には、その旨
⑬不動産信託受益権等販売業務を行う場合には、その旨
⑭不動産関連特定投資運用業を行う場合には、その旨

▼変更のあったその日から遅滞なく届出が必要な事項

①業務の内容または方法
②業務を休止し、または再開したとき
③他の法人と合併したとき、分割により他の法人の事業の全部または一部を承継したとき、または他の法人から事業の全部または一部
 を譲り受けたとき
④金融商品取引業者(有価証券関連業を営む者に限る)が、その議決権の過半数を保有している銀行等について、その総株主等の議決
 権の過半数を保有しないこととなったとき、または当該銀行等が合併、解散、業務の全部を廃止したとき
⑤金融商品取引業者(有価証券関連業を営む者に限る)が銀行、金融商品取引業者等について、その総株主等の議決権の過半数を取
 得し、または保有したとき
⑥破産手続きの開始、再生手続き開始等の申立てを行ったとき
⑦申請者等が登録拒否要件に該当するに至ったとき
⑧他の法人その他の団体が、親法人または子法人に該当し、または該当しないこととなったとき
⑨他の法人その他の団体が、持ち株会社に該当し、または該当しないこととなったとき
⑩定款を変更したとき
⑪役員等が法令等に違反する行為があったことを知ったとき
⑫訴訟もしくは朝廷の当事者となったとき、または当該訴訟もしくは調停が終結した場合

Q,変更登録申請?

 A,変更登録申請は、上記の変更届出とは別のものです。この変更登録申請は以下のような事項について変更を行う場合にあらかじめ申請を行う必要があります。また、以下の事項について新たに行おうとする場合には変更登録申請をし登録を受けるまでは行うことはできません。

▼変更登録申請が必要な事項

①金融商品取引法第28条1,2,3号イ~ハ、第4号に挙げる行為にかかる業務
②有価証券等管理業務
③第二種金融商品取引業
④投資助言・代理業
⑤投資運用業

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